旅のそら　〜バリ島〜

バリに行きたいと思うようになったきっかけは、この1冊の雑誌から。『地球発見マガジンGEO（ジオ）』1995年頃よく買っていた雑誌です。それから2年後、ようやく行くことが出来ました。 この間バリに恋い焦がれていたわけじゃないけど、引越の荷物整理でひょっこり当時作った日程表が出てきて、「随分浮かれていたんだぁ」と思わず吹き出してしまいましたよ。（笑）なんだかなぁ自分〜結構恥ずかしいぞー！（爆笑）

綿密に計画したようで、実は全然‘行き当たりばったり’。定番のタマン・アユン寺院やタナ・ロット寺院、クルンクンの旧王宮・旧裁判所などは観光したけど、チュルクやマスなどの工芸関係はパスしている。うーーん、みたい気持ちもあったけど、‘買ってけ攻撃’がうるさそうで。（笑）買い物はもっぱらレギャン通りの商店やスーパーでチョロチョロしてました。

レギャン・ビーチ。　オフシーズンの為か人もまばら	割れ門　「心を開いて」と言う意味らしい

今回の一番の目的は、霊峰アグン山とバリ・ヒンドゥーの総本山ブサキ寺院をこの目で見ること。前出の雑誌のおかげで、バリの宇宙観や宗教に興味を持ってしまったワタシ。(笑) 行って何が理解できるというわけではないけど、その場で何かを感じたいという気持ちがとても強くあったわけです。そして場所が場所なだけあって、その日はガイドさんもツアー会社のシャツは着ていたものの、下はサロンで頭にはバリ独特の帽子かぶっていました。でも腰ひもは締めてなかったなぁ〜。（正装一歩手前って感じ？）

	しかし、行ったのは丁度雨季。乾期でも3000メートル以上あるアグン山は早朝しか拝めないと言う。幻想的なアグン山の雄姿を期待していましたが、もう〜さっぱり見ることは出来ませんでした。あぁ計画性が欲しいと思う瞬間です。（涙）
	さてブサキ寺院は緩やかな登り坂の先にありました。この参道には土産物屋が並んでいましたが、観光客は私たちだけで閑散としていました。まだ午前中だったからかな？
ブサキ寺院。後ろにアグン山が...	雨の中の寺院。多層の塔はメルといい、天に届く高さを持つ宇宙山の名

ブサキ寺院の説明を少し。 ここはヒンドゥー教のシヴァ神・ブラフマ神・ヴィシュヌ神という3大神を祭った3つの寺院を中心に、大小さまざまな寺院が30以上あるそうです。ここはアグン山中腹の斜面に建立されているため、参拝は入り組んだ階段を自分の足で登ることになります。全部のお寺を回るわけではないので、疲れると言うほどではありません。そして場所によっては信者しか入れないところがあります。ズカズカ入って行かないように注意しましょう。 上へと登りながら一つの寺院の中を覗くと僧侶と参拝者が熱心にお祈りをしています。

じっと見ているとガイドさんの計らいで、一緒に参拝する許可が出ました。周りの人に従って地べたに座り、お布施をしてお祈りをしていると、僧侶が両方の耳元に小さな花を挿してくれます。（ハワイでハイビスカスを耳の上に飾る感じ）次にお米を額に押し当ててくっつけます。即席信者で申し訳なかったけど、とっても嬉しい体験ができました。 そうしてふらふら見ていると、やっぱり山の天気です・・・大粒の雨がザァァーっと降り始めました。とにかく雨宿りを！傘なんて役に立たない大雨です。あららと空を見上げ溜息をついてしまいましたが、雨に煙るブサキ寺院はとても幻想的でした。水と草と土のにおい、少し先の景色も見えないで古い寺院の中にいると時間とか空間を超えてしまいそうな気になります。そんなファンタジックな気持ちで過ごしていると、雨も次第に小降りになり、なんとか歩いて降りられそうになってきました。それでは行くかと歩き出すと・・・ひぇぇ〜これはなに！！境内の階段を滝が流れ落ちるかの如く、雨水が流れています。すっごい光景でした。（笑）

襲い来る水の恐怖（笑）靴の中は・・・

感動のブサキ寺院の後になんですが・・・今回お笑いのホテル話を。 旅の目的に合ったツアーを探すことに夢中で、ホテルについては全然ノーチェックでした。バリでフリーだ！ボロブドゥールも付いてる。おまけにシンガポールも・・・なんて具合です。予約が済んでだいぶ経ってからハタと気が付きました。ホテルはどこ？

レギャン・ビレッジ・・・聞いたことない。もともとクタ・レギャンはチープな旅行客の宿泊先が多いところ。ホテルだけランクアップできないか聞いてみても、ツアーごとキャンセルになるという。まぁ〜問題ないかとそのまま決行！しかしそれはなかなか涙混じりの笑いを生みました。 ←こうして見るとなかなか雰囲気のいいホテル。

レギャン通りから一つ道を入ってすぐ、車はホテル前で止まった。歩道から一歩入ったそ・こ・が・ロビー。自分の左横には銭湯の下駄箱の様な棚の前にカウンターがあって、自分がいて、右手横に1つの応接セット・・・凍った。（笑）

ポーターさんが部屋に案内してくれる。鍵は・・・棒鍵（驚）。部屋の扉は合板に木目調の合成樹脂を貼ったデコラ。今時日本じゃ見かけませんなぁ〜。鍵、あってもなくても一緒でしょ。（笑） そして部屋に入って・・・固まった！ だってベット　ウレタンだし、床には蚊取り線香だし、高窓には網戸のネットみたいなものが、ホチキスの針みたいなので止めてあるし。（涙）クローゼットと鏡台があるだけ大したモノだ。ちなみにテレビは無かったよ。当然貴重品を入れる金庫もない。ならセイフティーボックスに預けるか。

そして翌日外出前にロビーでセイフティーボックスに預けたいと申し出ると、ニコニコしながら貴重品を受け取り（預けるモノを直接触るところが既に不安）後ろの下駄箱に入れた！そして一言「ノープロブレム！」・・・・・・・それはとてもビックなプロブレムだよ（涙） ちなみにホテルの名誉を守るため申し上げますが、とっても居心地の良いホテルでした。従業員もフレンドリーで良かったし、食事も美味しかったです。夜は小さいですが舞台でバリ舞踊を見ることも出来ます。いろいろ笑えましたが満足できたホテルでした。

(ふらっと 2004.5.10)